きねぞう

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映画評:「下品で失礼!」【トレマーズ】

こんにちは。

杵蔵(きねぞう)です。

 

今回の作品はこちらです。

 

 

 

トレマーズ

制作:1989年/アメリカ

監督:ロン・アンダーウッド

出演:ケヴィン・ベーコン

  :フレッド・ウォード

  :マイケル・グロス

  :フィン・カーター

  :リーバ・マッキンタイア

rating:80点

 

 

ストーリー

ネバダの砂漠地帯が広がる、とある小さな田舎町。便利屋を生業にしているバルとアールの二人組は、うだつの上がらない生活に嫌気がさしていた。町を出ようと決心した彼らだったが、そこで地震学を研究している大学院生のロンダと出会う。彼女によると、異常な地中震動が記録されているらしい。向かう先々で出会う奇妙な死体。電話は遮断され、外への道路も閉ざされてしまう。やがて、謎の地中生物が姿を現し……。

 

レビュー

陸の孤島と化した田舎町を舞台にした、モンスターパニック映画の傑作。閉じ込められた住人たちと、地底怪物グラボイスとの、生き残りを賭けた死闘を描く。

1975年に公開された『ジョーズ』の影響によって、その後に多くのモンスター映画が粗製乱造されましたが、本当に優れた作品は決して多くありません。玉石混淆の中で、本作は『ジョーズ』を秀逸に踏襲した、見事な怪物映画に仕上がっています。

海面から背ビレだけを見せて海を泳ぎ回る人食い鮫のように、このグラボイスは地中を自由に泳ぐ、ミミズのような古代生物。目は退化しているため、グラボイスは地面から伝わる音を頼りに、獲物を捕食します。よって、住人たちは音を出さないように移動する、戦うというサスペンスが生まれる訳です。

小さい頃、高鬼という遊びをしたことはないでしょうか。基本は普通の鬼ごっこと変わらないのですが、鬼よりも高い位置にいれば捕まらないという遊び。本作では地面はグラボイスのテリトリーのため、岩や建物の上に登って難を逃れるしかありません。普段何気なく歩いている地面が、まるで大海原に変化したようであり、『ジョーズ』よりも怪物の可動範囲は大きく広がった訳です。しかし、太陽が燦燦と照らす砂漠地帯が舞台のためか、どこか能天気な空気が映画全編を占めており、それが本作の大きな魅力となっていますね。

また大きな特徴と言えるのが、曲者揃いの住人たちの中でも異彩を放つ、バート・ガンマーなる銃器マニアです。完全に主役の二人を食うほどの勢いと活躍を見せており、その後の続編にもすべて出演している所が面白い。モンスター映画の基礎をしっかりと構築しながらも、新たな世界観を提示したマスターピース。

ではまた。