きねぞう

映画の感想や関連記事を載せていくブログです。

映画評:【ドラえもん のび太の宝島】「見つけたのは、宝物以上の、宝物。」

 

こんにちは。

杵蔵(きねぞう)です。

 

時間がちょうど良かったので観てしまいました。

 

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劇場で渡されました。そういえば、こういうオモチャが毎年特典で貰えるんですよね。懐かしい気分になります(袋から出さない所がツウ)。

 

 

ドラえもん のび太の宝島

製作:2018年/日本

監督:今井一暁

出演:水田わさび

  :大原めぐみ

  :かかずゆみ

  :木村昴

  :関智一

rating:60点

 

 

ストーリー

小説「宝島」の存在を知り宝探しに憧れたのび太は、皆にバカにされた口惜しさに「宝島は存在するはずだ」と明言し、もし見つけられなければ鼻でカルボナーラを食べるという約束を取り付けてしまう。家に帰ったのび太は、当然のようにドラえもんに泣きつく。ところがひみつ道具「宝さがし地図」を出してもらったのび太は、宝島の在処を一回で突き止めてしまい……。

 

レビュー

ドラえもんの長編映画を劇場で観るのは、2004年に公開された「のび太のワンニャン時空伝」以来であり、そのタイムスパンはおよそ14年。もう既に現代のドラえもんとは隔絶した位置にいるようですが、しっかりと現代版ドラえもんを堪能してきました。

 

旧シリーズと比べてみると、やはり画は滑らかで良く動きますね。また今まで背景にすら登場しなかった一般人の描写などもされており、所々で変化が見られます。

最近の映画らしく情報や展開をとにかく詰め込み、飽きさせないように工夫がこらされています。やや強引ではありますが、伏線回収などもマメに行っており、好印象です。名作扱いされがちな旧作シリーズですが、中にはタイムパトロール隊が出てきてすべて解決、といった拍子抜けする作品もあり、やはりリニューアル版の方がある程度脚本のブラシュアップされているのは認めなければならない点です。

ロボットのクイズが、文字通り物語の謎を解く鍵になり、次の道へ向かうための架け橋となるアイディアは素晴らしかったです。総合的に評価しても、同じく宝島をテーマとした『のび太の南海大冒険』よりも断然良く出来ていると感じます。

 

常連客への目配せもちょくちょく入っていますね。所々で「鼻でカルボナーラ(スパゲティ)を食べる」や「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人」など、過去作へのオマージュが幾つか見受けられます。

『のび太の大魔境』で印象的だった「名刀雷光丸」が出てきたときはテンションがあがりました(『のび太のワンニャン時空伝』でも使用されているそうですが、覚えてない……)。しかし、「ころばし屋」や「こけおどし爆弾」など好きなひみつ道具が出てくるのは嬉しいのですが、昔のように道具が出るたびに演出される紹介SEがなく、ちょっぴり寂しいです。

 

ところで、本作を鑑賞し終えてなによりも再認識したのは、やはり私はドラえもんが活躍するシーンが好きなんだなということ。

昔から、ドラえもんの頼りになる感はハンパじゃなかった。

それは単に未来のひみつ道具を持っているからではなく、ドラえもんがのび太たちとは違う、知識があり、機転もきく、大人の目線を持ったキャラクターだからです。のび太たちのリーダーであり保護者であるドラえもんは、皆にとって大きな心の支えになっている。だからこそ、ドラえもんがやられてしまった時はいよいよ危ない。ドラえもんが故障している姿を見るだけで泣きそうになるのは私だけではないはず。

本作でも、敵の目論見を阻止するため、ドラえもんは、単身で巨大なエネルギーの結合点に乗り込んでいき、ボロボロになっていってしまう。それは、『のび太と雲の王国』において、一人ガスタンクに特攻していったシーンを彷彿とさせる、ドラえもんの強い責任感と自己犠牲の精神が垣間見れる場面でした。それを観れただけでも、本作を鑑賞した価値がありましたね。

 

しかし、物語内で存在していた問題に対して、具体的なアンサーを出さないまま終わってしまったのは良くない。勿論、地球が迎える未来という、決して簡単には解決できない問題なのはわかりますが、それでもフロックたちが何か希望を提示するような終わらせ方に着地して欲しかった所です。

また、本作のテーマにもなっている「宝よりも大切なもの」ですが、これは説明的な台詞ではなく、のび太たちの明確な行動で映画的に表現して欲しかったですね。

と、色々思う所はありますが、それでも嫌いになれないのは昔からの思い出補正でしょうか。機会を見つけて、他のシリーズ作品も感想を書いていきたいと思います。

ではまた。