きねぞう

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映画評:【エイリアン2】今度は戦争だ!

 

ノストロモ号の悲劇から57年。宇宙空間を彷徨っていた唯一の生存者リプリーは、会社によって救助される。惨劇の発端となった惑星が植民地化されている事を知った彼女はエイリアンの脅威を訴えるが、会社の上部に軽くあしらわれてしまう。案の定、惑星を開拓していた住人が消息を絶ったという知らせが届く。リプリーは植民地海兵隊のアドバイザーとして同行する事を決意し、再び惑星に赴くが……。

 

SFホラーの金字塔として、今なお絶大な支持をもつ人気シリーズの第二弾。

監督のジェームズ・キャメロンは、恐怖度では前作に絶対に敵わないと考えたのかもしれません。キャッチコピーの「今度は戦争だ!」の通り、本作は純粋なホラーというよりもアクションの色が格段に強くなっており、無数に増殖したエイリアンとの死闘を描いています。その判断は正しいと思いますし、結果としてその作戦は成功しています。

籠城戦を決意した隊員たちは、通路口にセンサー式の銃を設置します。敵の実態は見ええませんが、生態センサーには確かに映る大量の生体反応。着実にエイリアンを迎撃するも残弾数が次々と減っていく銃。このシーンは敵を駆逐してくれる銃の頼もしさと同時に、銃弾が残り少なくなっていく焦燥感、すぐそこまでやって来ている姿の見えない敵の恐怖感が交差した名場面ですね。

キャラクター達も数段にパワーアップ。前作ではほぼ無抵抗に近い形で殺されていた乗組員でしたが、今作は未来兵器で完全武装した隊員たちが物語を彩ります。女性ながら大型武器を使い回すバスクエスや、冷静沈着で頼れるアンドロイドのビショップ、海兵隊を纏めるリーダーでありながら実戦経験に乏しく気の弱いゴーマン中尉など、やはりモンスター映画では登場人物の強い個性が重要なのだと再確認させられた一作でした。

 

72点