特集:徹底解析!【ドラえもん のび太と銀河超特急】を語り尽くす! Part3
Part3:ダーク・ブラック・シャドー団
支度が出来たので、しずかちゃんと共に、二人の部屋を訪れます。
しかし、ジャイアンはテレビに、スネ夫はコンピュータ・ゲームに夢中になっています。ちなみにスネ夫がやっているゲームはPS4のVRみたいですが、ゴーグルをかけていないのび太としずかちゃんにもゲームの映像が見えている所が不思議です。あのゴーグルの意味は何なのでしょうか。
仕方なく、二人で展望車に向かうことに。
「どう? この素晴らしい眺め!」
「眺めって……?」
展望車に入りますが、真っ暗な空間が広がるばかりです。不安がる二人の目の前で、光の爆発が起こります。ショックを受けたのび太は気を失い、その場に倒れ込んでしまいます。
「どうしたんだね? どれどれ、診てあげよう」
少し太り決めの男がやってきて、のび太の心音を確認します。
「心配ない。軽い脳震盪だ。少し横になってれば、すぐ気がつく」
展望車のベンチにのび太を寝かします。
先ほどの爆発はバーチャル映像で、銀河誕生の解説が行われていたのでした。
彼の言った通り、すぐに目が覚めるのび太。
「難しい話でぜんぜんわかんない……」
バーチャル映像の解説が退屈になったのび太は、部屋に戻ります。
他の乗客もちらほら出はじめ、賑やかになっていきます。
ドラえもんを探すのび太ですが、7号車に入るとスネ夫の悲鳴が聞こえます。
「出たーっ!」
「何が出たの?」
「海賊……!」
続いて、3号室にから青い顔をしたジャイアンが出てきます。
「恐竜が出たーっ!」
「恐竜!?」
「窓を破って覗き込んだんだ!」
ところが、3号室に入っても、ねずみ一匹見つかりません。破ったという窓も確認できませんでした。
「ホントに見たんだ! 疑る奴はぶんなぐる!」
すごい発言です。
「疑ってなんかいないよ! さっき僕も西部劇を見たって言っただろう?」
ドラえもんに直訴して調べてもらうべく、3人は展望室に向かいます。
すると、汽笛が鳴り響きます。
続いて、深刻な様子で展望車に入り込んでくる、ドラえもんと車掌。大事な話があるらしく、車掌や他の乗客たちとは別に、一同はミーティングルームに集まります。
「ええっ? 凶悪な盗賊団?」
「そう、ダーク・ブラック・シャドー団。宇宙の果てに流れ着いた犯罪者たちが、無人の小惑星を根城に……」
このドラえもんの凄みをきかした喋り方が好きです。
これから向かう先に、その盗賊団が待ち構えているという情報が入ったのです。
展望車でも、他の乗客たちに、車掌が詰め寄られていました。
「絶対に安全なツアーだと信じてたのに」
「私たちはどうすりゃいいんだ?」
「部屋にでも籠って、鍵でもかけて、お祈りでもしてください」
と、困りながら超適当なことを言う車掌さん。が、かわいいので許したくなります。
「よくも俺たちを誘ったな……」
ミーティングルームでは、ジャイアンとスネ夫がのび太とドラえもんに詰め寄ろうとしていました。なんとも変わり身の早い奴らです。自分たちで勝手についてきたくせに(笑)。
「帰ればいいんだわ! どこでもドアで!」
名案を出すしずかちゃん。その瞬間、他の四人が組体操みたいに手を繋いで仲直りする所がなんとも微笑ましいです。
しかし、意気揚々と帰ろうとしますが、どこでもドアの中に入ろうとしても跳ね返されてしまいます。
「ドアの中の超空間に、バリアが張られてる! シャドー団の仕業だ!」
「ええーっ?」
驚愕する一同。
「誰も、この列車から抜け出せなくなった!」
ここで再び、メンデルスゾーンのクラシックが盛り上がっていきます。
さぁ、映画らしくなってきました。ここからが序盤の見せ場です。
列車は小惑星の中に入っていきます。揺れる車内に翻弄される一同。
みんなが絶望する中、カメラがのび太の顔をズームで捉えます。
「ねぇみんな、やっと面白くなってきたじゃない」
立ち上がり、のび太はみんなに説きます。
「僕たちは、いつもこんな冒険をしてきたんじゃなかった? 何度も戦い、その度に乗り越えてきたじゃない! 今度も逃げないで、ぶつかっていこうよ!」
のび太の言葉で、一同の顔が凛々しく引き締まります。
「のび太って映画になると急にかっこいいこと言うんだから」
スネ夫がメタ発言までします。
みんなでシャドー団と戦うことを決意します。
「通りぬけフープ」 を使って、列車の外に出るのび太とドラえもん。
タケコプターが使えないため、「ペタリ手袋と靴」を使い、列車の屋根を伝いながら、先頭まで向かいます。
先頭車両に居た車掌と合流する二人。
「やぁ、君たちも夕涼みかね?」
先ほど、展望車でのび太の看病をしてくれた男も後ろからやってきます。
「私はボーム。コスモタイムズ社の記者です」
今回のゲストキャラ、ボーム。序盤、中盤、終般、あらゆる場面でのび太たちの助けとなる、有能キャラです。見た目が地味なので全く印象に残りませんが、本作においてはドラえもんよりも活躍するキャラクターであり、ボーム無しに今回ののび太たちの冒険は成立しないといっても過言ではありません。塩沢兼人が声を当てているのも特徴ですね。
「新聞記者さんがなぜこの列車に?」
「久しぶりの休暇を楽しむはずだったんだが、どうやらとんでもない特ダネにぶつかったらしい」
ボームの目線の先にある、小惑星。そこから謎の光が。小惑星の一つ一つにシャドー団が隠れているとのこと。やがて、一機がこちらに攻撃を仕掛けてきます。
車掌は先頭車両にある大砲型の信号弾で迎撃しようとしますが、シャドー団にはたやすくかわされてしまいます。業を煮やしたのび太が、大砲を操作しようとします。
「ちょっと! 子供のオモチャじゃないんですから」
「のび太君は射的の天才なんです。他に取柄は無いけど!」
のび太の放った信号弾が命中し、一機を撃退します。湧く一同。
「だが、ウヨウヨ出てきたぞ!」
のび太の反撃むなしく、シャドー団に囲まれてしまいます。
シャドーの総攻撃を受け、列車はコントロールを失い、落下していきます。
「あの星に吸い寄せられる!」
列車は、一つの惑星に不時着してしまいました。
次回に続きます!