きねぞう

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映画評:【俺物語!!】なんでもやる男、鈴木亮平。

 

こんにちは。

杵蔵(きねぞう)です。

 

今回の作品はこちら。

 

 

 

俺物語!!

製作:2015年/日本

監督:河合勇人

出演:鈴木亮平

  :永野芽郁

  :坂口健太郎

  :森高愛

  :高橋春織

rating:65点

 

 

ストーリー

質実剛健の日本男児・剛田猛男。熱血で硬派な人格者の彼は、男からは好かれても異性にはさっぱりモテない生活を送っており、彼が好きになった女子は、必ず幼馴染のイケメン・砂川誠を好きになるという失恋のジンクスを持っていた。高校に入学したある日、街でナンパされ困っていた大和凛子を助けるが、猛男は凛子に一目ぼれしてしまい……。

 

レビュー

別冊マーガレットで連載されていた人気少女漫画を映画化。不器用だがまっすぐな心意気を持つ猛男の恋愛模様をコミカルに描く。

キャスティングが見事だと思います。原作は未読ですが、出演している俳優たちは、映画で語られるべきキャラクターとして成立していたと思います。

特に、主人公の猛男役を演じた鈴木亮平は凄まじい。誰しもが認める所だと思うのですが、変態仮面やったり、銭形平次やったり、西郷隆盛やったり、彼の役作りは化け物じみていますね。

超絶イケメンの砂川誠を演じた坂口健太郎、ヒロインの大和凛子を演じた永野芽郁の二人も好演していたように感じます。

 

ただ、コメディとして、恋愛ドラマとしては、あまり上手くいっていない。

コメディ映画として面白くするのに、主役が変な顔とかするのは辞めて欲しい。そういう役者の顔芸的な所で笑わせようとするのではなく、主人公の置かれた状況を映像的に面白くしてこそコメディ映画だと思うのです。

例えは冒頭、中学の卒業式の場面。登場した猛男は後輩男子たちに制服のボタンをほとんど持っていかれてしまうのですが、途中で出くわした砂川の制服は女子に全て取られている様子がわかるシーン。二人の対照的な姿を描く所なのですが、ここは、砂川が女子にボタンを取られている様子を最初に見せておき、それを前振りとして、その後で猛男が男からボタンを取られる方が面白いのに。なんだか惜しい。

砂川が女子からモテているという描写も、画一的ですね。大勢の女の子にキャーキャー言わせるだけなんて、悪い意味で漫画的な表現に留まってくれちゃってる。現代らしくもっとリアルに描くか、あるいはもっと荒唐無稽に描くとかまで振り切って欲しいです。

恋愛ドラマとしても、既に前半から二人は両想いであることは明白であり、ただの勘違いやすれ違いによってストーリーが進行していくため、それが分かっている観客からすれば「もどかしい!」という前向きな面白さよりも「早く気づけよ!」というイライラの度合いの方が強くなっていしまう。ですので、後半は割と退屈に感じてしまいましたね。

とはいえ、永野芽郁の暴力めいたヒロイン力や、剛田と砂川のホモソーシャルなじゃれ合いなど、所々に「なるほど」と唸らせる魅力は詰まっていた作品だと思いますね。

個人的には猛男が大和凛子を呼ぶのに「凛子」と呼ぶのではなく「大和」と苗字で呼ぶ所が好きです。好きな異性を苗字で呼ぶキャラってなんか良くないですか?

ではまた。