きねぞう ~気ままに映画評~

映画の感想を述べていくブログです。

【映画評】:七人の侍

製作:1954年/日本

監督:黒澤明

出演:志村喬三船敏郎木村功、稲葉義男、加東大介                                   

 

■ストーリー

時は戦国。

毎年収穫の時期に、盗賊と化した野武士の集団に襲われ、恐怖に怯えていた村人。

しかし自分達だけで戦っても勝ち目はありそうも無く、下手に逆らえば皆殺しになるのは目に見えていた。

苦難の末、村人たちは侍を雇うことを思い立つのだが……。

■レビュー

日本が誇る、巨匠・黒澤明監督の超大作。

日本映画の最高峰に位置し、いまさら僕などが取り上げる必要も無く、各方面で様々な研究がされている作品ですが、やはりレビューを書かずにはいられない。

まず言いたいのは、公開されたのは昭和29年ですが、今観ても面白いということ。

画面が白黒であることは何のマイナスにもなっていません。

なんというかジューシーなんです。

古さが感じられない。

月日が経つにつれ価値観が変わり、時代が変遷するにつれ、どんな名作もかならず陳腐な部分が出てきます。

だが、この映画はそれが無い。

いま観ても充分楽しめるのだから、公開当時は相当の衝撃が走ったことでしょう。

個人的に気に入っているのは、侍たちの中でも、特に剣術に秀た久蔵という男です。

剣の達人なのですが、寡黙で冷静・実に頼れる男です。

村を要塞化するにあたり鉄砲が必要でしたが、久蔵がふらっと一人で出かけ、敵の野武士を襲撃し、奪ってきます。

大手柄にもかかわらず、帰ってきた彼は銃を村人に預けるなり「少し寝る」といって一人で寝入ろうとします。

若侍の岡本勝四郎は感激し、いてもたってもいられず、彼の元に向かい「あなたは素晴らしい人だ。それだけ言いたかったんです」と伝える。

個人的に、この作品の中で一番印象に残っているシーンです。

百姓が侍を雇うという奇抜なアイディア、村をまるごと要塞化し野武士を迎撃するという斬新な発想。

正確無比な時代考証による徹底したリアリティ。

当時誰も思い付かなかった、雨中泥だらけの大合戦の大迫力。

200分を超える内容でありながら、息を呑むほどの濃密さが詰まった、古今無双の名作。

評価: