映画評:【ゴースト/ニューヨークの幻】幽霊だって命がけ
こんにちは。
杵蔵(きねぞう)です。
今回紹介する作品はこちら!
ゴースト/ニューヨークの幻
製作:1990年/アメリカ
監督:ジェリー・ザッカー
出演:パトリック・スウェイジ
:デミ・ムーア
:ウーピー・ゴールドバーグ
:トニー・ゴールドウィン
:ヴィンセント・スキャヴェリ
rating:70点
ストーリー
サムとその恋人モリーは、新しい生活も始まり、仲睦まじく幸せな日々を送っていた。ある日の夜、デートの帰り道に二人は暴漢に襲われ、モリーを守ろうとしたサムは命を落としてしまう。しかしサムは、自分の亡骸を抱えながら泣き叫ぶ彼女を見ることができた。彼はゴーストになってしまったのだ。姿も見えず声も聞こえない幽霊となったサムは、それでも取り残された彼女のために、いつまでもそばで見守ろうとするが……。
レビュー
死んでも愛する人を守りたいと、恋人の幽霊が奮闘する姿を描く。ライチャス・ブラザーズの主題歌「アイチェインド・メロディ」でも知られており、映画本編は未視聴でも、パトリック・スウェイジとデミ・ムーアが、ろくろを回しながら抱き合うラブシーンは観たことがあるという人も多いと思います。そのシーンの印象が強すぎるためか、純粋な恋愛映画と誤解されがちな作品でもありますね。確かに映画の区分けとしてはラブロマンスと位置付けるのが便宜的なんですが、本作はファンタジーやコメディ、サスペンスやホラーといったあらゆるジャンルの特色を見せる、玉虫色のエンターテイメント映画の傑作なんです。
生前は清い人生であった温厚誠実なサムは、死んだことによって天国に迎えられるが、残された彼女のために、彼は現世に留まる決意をする。ファンタジックな展開からストーリーは進行していきますが、彼は現世への接触を図るため、インチキ霊媒師の手を借りて一悶着始める場面はコメディだし、自分を殺した暴漢の魔の手が、彼女に襲い掛かる部分はサスペンスで、幽霊であるサムが、人ならざる者のアドバンテージを活かして、悪漢たちを追い詰めていく所はホラーだったりします。
パトリック・スウェイジをはじめとする俳優たちの表情や仕草も輝いていて、隆盛を極めていた90年代の映画の魅力が沢山詰まった、珠玉の一作です。
ちなみに、20年の時を経て作られた「ゴースト もう一度抱きしめたい」というリメイク作もあったりします。松嶋菜々子とソンスンホン主演のアジア版リメイクですね。こっちの方は未見ですが、あんまり評判が良くないみたい……。
ではまた。