きねぞう

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映画評:スプラッター愛に満ちた【スクリーム】

こんにちは。

杵蔵(きねぞう)です。

 

今回紹介する作品はこちらです!

 

 

スクリーム

製作:1996年/アメリカ

監督:ウェス・クレイヴン

出演:ネーブ・キャンベル

  :コートニー・コックス

  :ドリュー・バリモア

  :スキート・ウールリッチ

  :デヴィッド・アークエット

rating:80点

 

 

ストーリー

カルフォルニア州の田舎町、ウッズボローで、高校生のカップルが惨殺される事件が発生。しかし、悲劇はまだ終わらなかった。一年前に母を殺され、心に傷を抱えるシドニー・プレスコット。彼女の元に、不気味な声の電話が掛かってきて……。

 

レビュー

スリラー映画の新鋭、ウェス・クレイヴンが放つ傑作ホラー。過去のスラッシャー映画の、陳腐な所や破綻を逆手にとった脚本で話題を呼び、飽和していたホラー映画の復権にも貢献しましたね。

作中の登場人物は、今までのホラー映画の世界観や順序を理解しており、劇中の中でその弱点やほつれを指摘し、茶化したりします。しかし、その「お約束」に沿うように、あるいは裏切られるようにして、彼らは一人、また一人と殺されていく演出が心憎いです。例えば主人公が「家の中で殺人鬼に襲われたのに、外に出ずに二階に上がるのはおかしい」というホラー映画の常套展開に対して苦言を呈しますが、本当に殺人鬼に襲われた時には、自分も外に出ることができず、仕方なく二階に駆け上がってしまう所が皮肉です。

他にも登場人物にクレイヴン自身が監督した「エルム街の悪夢」について喋らせ「一作目は面白いけど、二作目以降はダメ」など、自身が関わっていない続編については痛烈に批判したりするなど、知っている人ならばニヤリとさせる場面があります。

これは、往年のホラー映画の「お約束」を理解している観客にとって、今まで鑑賞中に、痒いところに手が届かなかった部分を俯瞰した視点によって描き、メタ構造による新たな表現を生み出しました。今となってはこの「お約束」を踏襲したホラー映画は腐るほどありますが、本作がそれらの作品の影響に寄与しているのは、言うまでもないでしょう。

ひたすらホラー映画のルールについて言及したりする本作ですが、中身は王道のスラッシャー映画。ポップコーンとコーラをお供に、仲間内でゲラゲラと鑑賞するのが一番望ましいですね。

さらに言えば、2作目、3作目もシリーズ物にしては珍しく、なかなか面白いので、本作が面白いと感じた方ならば、続編を鑑賞することもオススメです!

ではまた。