映画評:思い出の【学校の怪談2】
こんにちは。
杵蔵(きねぞう)です。
ホラー映画というのは、シリーズ化することで旨味を増します。
ということで、今回ご紹介するのは、前回に引き続き「学校の怪談」シリーズである、この作品です!
学校の怪談2
制作:1996年/日本
監督:平山秀幸
出演:野村宏伸
:細山田隆人
:前田亜季
:岸田今日子
:西田尚美
rating:80点
はい。パンフレットもボロボロですね。
相当読み込みました。
おそらく、生まれて初めて買ってもらった映画のパンフレットです。
私にとってこのパンフレットは、聖書(バイブル)といっても過言ではなかったでしょう。
それでは、中身の方に移っていきましょう。
ストーリー
春休み。東京で塾の講師を務める小田桐理香は、生徒たちの合宿のため、故郷の村へ帰って来る。
しかし理香の弟でガキ大将の司はこれに反発。地元の少年グループと東京の塾生たちは対立してしまう。
合宿の最終日、肝試しをやることになった彼らであったが、塾生の一人である憲が学校の時計台に登り、時計の歯車にスニーカーを挟んでしまう。
時計は4時44分で止まってしまい、呪われた校舎の封印が解かれてしまった……。
レビュー
全国の少年少女たちを虜にしたジュブナイル・ホラーの第二弾。
監督は前作と引き続き平山秀幸がメガホンを取り、野村宏伸が主演を務めています。
古ぼけた校舎に生徒たちが閉じ込められ、多種多様なクリーチャー達に追い回される展開は前回と同様ですが、良い意味での荒唐無稽さ、コメディタッチが強い作品に仕上がっています。
登場人物の個性も相変わらず際立っていて、彼らの何気ないやりとりが実に微笑ましいです。特に前田亜季が演じる「コタツ出しちゃうぞ~」の女の子が印象的ですね。それに対する「お前ん家、床暖房じゃん」の返しも実にシュール。
1996年という時代を振り返ると、あのころはまだ世の中の全貌が見えない不思議な時代だったと感じます。
二年後には中田秀夫監督の「リング」が公開され、Jホラーブームが社会現象を起こす訳ですが、あのころ、我々は信じていたのではないでしょうか?
既知の科学では解明できない心霊的な存在、それを察知する超人的な力。説明しきれない神秘的な何かを信じたいという気持ちがあったのではないでしょうか。
昨今では心霊映像や都市伝説の特番など見かけなくなってしまいましたね。
摩訶不思議な空気が、あの時代には流れていたような気がします。
果たしてそんな昔が良かったのか、それとも今の時代の方が優れているのかはさておき、この映画は、世の中がそんな空気でしか造りえなかった不可思議な魅力を持っているのは間違いないです。
「所詮こども向けの映画」と一蹴するのは簡単ですが、どうか思い出して頂きたい。
子供のころ、夜の部屋の隅には、「何か」を感じませんでしたか?
一人寝付けないでいると、天井や部屋の奥にある暗黒を恐れませんでしたか?
何かを恐れる力。あの想像力が、間違いなく自分の感性を豊かにしてくれるのです。
ではまた。