きねぞう ~気ままに映画評~

映画の感想を述べていくブログです。

【映画評】:椿三十郎

こんにちは。

杵蔵(きねぞう)です。

今回、批評するのは、椿三十郎です。

 

製作:1962年/日本

監督:黒澤明

出演:三船敏郎仲代達矢加山雄三志村喬田中邦衛

評価:A-

 

■ストーリー

家老の汚職を糾弾しようと密かに団結する若侍たちが居た。ある日、森の中にある古い社殿で密談をしていると、彼らの元に家老の刺客たちが押し寄せ、命の危機を迎えてしまう。

そんな所にフラリと謎の浪人が現れ、剣の腕と機転でもって、刺客たちを退ける。感謝を告げる若侍たちに、浪人は「椿三十郎」と名乗るが……。

 

■レビュー

「用心棒」の実質的続編。風来坊の浪人が、剣の腕と機転をきかせて悪人たちを裁いていく姿を軽快に描いた時代劇。

主演は、主人公三十郎を、引き続き三船敏郎が演じる他、ライバル役である室戸半兵衛を、仲代達也が演じています。

2007年に森田芳光監督がリメイクしたことでも知られていますね。ただ、あんまりリメイクの方は評判が良くないようです。

やはり、オリジナルが名作として名高いせいでしょう。主演である三船敏郎織田裕二を比較すると、織田裕二にはハードルが高い役だったと感じます。

閑話休題。本作を観る前は正直、あまり期待していませんでした。

前作の位置づけである「用心棒」が個人的に好きではなかったからです。しかし、結果から言うと、まごうことなき傑作であると断言します!

「用心棒」は、畑三十郎なる浪人が、宿場町に根付いた二つの悪組織を、身一つで壊滅させていく内容ですが、今回の「椿三十郎」では、若侍たちという、観客目線のいわば「ワトソン役」が存在するため、三十郎の言動や強さがより、強調できていると感じます。

さらにいえば、志はあるがまだまだ未熟な「新兵」である若侍たちと、酸いも甘いも経験した「古兵」たる三十郎のバディ感が素晴らしく、若侍たちの成長も描けている所が秀逸です。

敵のライバル役である室戸半兵衛も、よりキャラクターとしての地盤がしっかりしたものになっていると思います。

終盤、椿の花が物語に登場し、ある重要な役割を果たすのですが、このシーンが見事。川に流れる白い椿がすごく綺麗なんです。白黒映画と敬遠せず観ていただきたい。というよりも、白黒だからこそ、白い椿が凄く映えている。一見の価値ありです。

全体の物語の骨格がしっかりとしていて、前作「用心棒」よりも娯楽度がパワーアップ。所々で「ハッ」となる映像場面もあります。黒澤明の入門作品としては、これ以上ない傑作でしょう。