きねぞう

映画の感想や関連記事を載せていくブログです。

映画評:【パーフェクトブルー】「私は本物だよ」

ローカルアイドルグループ『チャム』に所属する霧越未麻は、事務所の強引な方針によりグループを脱退し女優へと転身する。しかし、アイドル時代への未練を強く残していた彼女は、成功とは裏腹に、次第に精神的に追い詰められてゆく。やがて現れるもう一人の…

映画評:【銀の匙 Silver Spoon】どこに出しても恥ずかしくない、青春映画の傑作

進学校での激しい学力競争に挫折した八軒勇吾は、厳格な父の元から逃れるため、都会の札幌から離れて、寮制の大蝦夷農業高等学校(通称エゾノー)に進学する。初めて経験する過酷な酪農の世界に、勇吾は悪戦苦闘の日々を送るが……。 荒川弘の同名コミックを映画…

映画評:【ぼくたちの家族】とっくにこの家族なんてぶっ壊れてんだ。

物忘れの激しい母・玲子は検査のために病院へと連れられるが、そこで末期の脳腫瘍と診断されてしまう。 余命一週間とまで宣告され、父と二人の兄弟は騒然。母の突然の病によって、隠されていた家族の問題が浮き彫りになっていき……。 早見和真の自伝的小説「…

映画評:【エイリアン2】今度は戦争だ!

ノストロモ号の悲劇から57年。宇宙空間を彷徨っていた唯一の生存者リプリーは、会社によって救助される。惨劇の発端となった惑星が植民地化されている事を知った彼女はエイリアンの脅威を訴えるが、会社の上部に軽くあしらわれてしまう。案の定、惑星を開拓…

映画評:【ローズマリーの赤ちゃん】ホラーの教科書的傑作

ローズマリーとその夫ガイは、ニューヨークのとあるマンションに引っ越す。隣人である世話焼きの老夫婦と親密になりながら、新生活を満喫する二人。ある夜、ローズマリーは悪魔に犯されるという悪夢を体験する。その後、妊娠したことを喜ぶ彼女であったが………

映画評:【IT リメイク版】やっぱりホラーは“心の友”なり。

子共だけを狙った連続殺人事件が発生している、メイン州にある田舎町・デリー。“それ”の魔の手によって、幼い弟を亡くしたビルは、彼を救えなかったショックから抜け出せないでいた。ある日、ビルは自分と同じ様に心に傷を抱え、孤立していた少年少女達と出…

映画評:【秘密の花園】誰もワタシを止められない。

小さい頃からお金が大好きな鈴木咲子は、学校を卒業すると銀行員に就職。しかし銀行強盗に襲われ、咲子は人質として車に詰め込まれてしまう。車は富士の樹海まで逃走したが横転事故を起こす。幸いにも一命をとりとめた咲子は、皆から祝福されるが、彼女の頭…

特集:徹底解析!【ドラえもん のび太と銀河超特急】を語り尽くす! Part4

Part4:ドリーマーズランドへ 気が付くと、薄靄の中、列車の上で目覚めるのび太たち。列車は無事だったようです。ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんが屋根を伝ってこちらにやってきます。 「シャドー団はどこだ?」 「どっかに消えちゃったんだ」 突然、花火…

特集:徹底解析!【ドラえもん のび太と銀河超特急】を語り尽くす! Part3

Part3:ダーク・ブラック・シャドー団 支度が出来たので、しずかちゃんと共に、二人の部屋を訪れます。 しかし、ジャイアンはテレビに、スネ夫はコンピュータ・ゲームに夢中になっています。ちなみにスネ夫がやっているゲームはPS4のVRみたいですが、ゴ…

特集:徹底解析!【ドラえもん のび太と銀河超特急】を語り尽くす! Part2

Part2:ミステリーツアーへ 列車が裏山に到着します。見かけは蒸気機関車ですが、立派な宇宙船。 この時にかかるのが、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」です。ドラえもん映画でクラシックが使われたには、本作が初なのだとか。列車の動きととてもマッチし…

特集:徹底解析!【ドラえもん のび太と銀河超特急】を語り尽くす! Part1

僕にとって、ドラえもん映画の中で最も思入れのある作品がこの「銀河超特急」です。といっても実際に劇場でドラえもん映画を観始めたのが次回作の「ねじまき都市冒険記」からなので、本作はテレビ放映されたものを録画して観ていたに過ぎません。しかしリア…

映画評:【リメンバー・ミー】ラスト15分、涙が止まりません。

年に1度だけ、他界した先祖が家族に会いにやって来るという、死者の日。音楽が大好きな少年ミゲルは、先祖代々伝わる音楽禁止の掟に縛られていたが、祭壇から落ちた写真を見つけ、自分の先祖が伝説のミュージシャン、デラクルスだと確信。家族に認めて欲しい…

映画評:【新感染 ファイルナル・エクスプレス】ゾンビ映画の新たなクラシック!

84点 別居中の妻が住むプサンへ、幼い娘スアンを送り届けることになった父親のソグ。夜明け前のソウル駅からプサン行きの特急列車KTX101号に乗り込むが、発車直前に異様な様子の女性が列車に駆け込んでくる。女は乗務員に噛み付き、噛まれた乗務員もまた凶暴…

映画評:【ランゴリアーズ】小説を読んでいるような面白さ

ロサンゼルスからボストンへ向かう、アメリカン・プライド航空の旅客機。熟睡していた10人を残して、乗員乗客が忽然と消えてしまう。外部への連絡も絶たれ騒然となる機内。偶然にも乗客として居合わせた同航空のブライアン機長の機転により、旅客機はメイン…

映画評:なぜ【ニュー・シネマ・パラダイス】はダメなのか。

感動の名作として名高い「ニュー・シネマ・パラダイス」だが、僕はどうしても評価できない。映画で語ろうとしいている「善きこと」に、とても賛同できないからだ。 これは時計の針が止まってしまった人達の話だ。過去の最も素晴らしかった時間の中に閉じ込め…

映画評:【隣人は静かに笑う】このラストは予測できなかった!

ずっと探していた幻のサスペンス映画「隣人は静かに笑う」をようやく観ることが出来た。どのレンタルショップに行っても見つけることができず、諦めかけていたところ、アマゾンプライムで配信しているのを見つけた。そして、この映画を観ることだけを目的に…

映画評:【散り椿】最新版にアップグレードされたチャンバラは見物

定期的に時代劇を観たくなる時がある。劇場の予告編を観て、チャンバラの素晴らしさに圧倒された僕は本編も観たが、これが良かった。 75点 享保十五年。藩の不正を訴え出たために藩を追われた瓜生新兵衛。追放後も連れ添い続け、病に倒れた妻の篠は、死の床…

書評:松本人志の【シネマ坊主】を読んでみた!

一番好きな映画は何かと聞かれると悩む所だが、ワースト映画は常に決まっている。 松本人志監督作の「さや侍」だ。あらゆる方面で酷い出来であり、僕はこの作品を生涯忘れないだろう。そんな松本人志も、監督になる前に映画評論を出していた。1999年から2008…

映画評:【来る】柴田理恵は良かった。

48点 同じく中島哲也が監督を務めた「渇き。」は、暴力やドラッグの描写が延々続く。しかし描き方に緩急がないので、いくら刺激的な映像を重ねられても全く心に響いてこない。そして残念ながら、今回の「来る」に関しても、僕は同じ事を思った。 原作は澤村…

映画評:【カメラを止めるな!】今更だけど、やっぱりおもしれぇ!

完全に時期を逸した……。 公開から大分経ってしまった後で、こんな記事を書いてるなんて。 きっと、様々な所でこの映画の評がされているかと思う。別に僕なんかが改めて映画評をする必要も無いんだろうけども、書いてしまったんだからしようがない。 89点 自…

映画評:【3時10分、決断のとき】登場人物が全員アホ

本作は1957年に公開された「決断の3時10分」をリメイクした西部劇映画。各所で高評を得ているようだけど、僕は全然ノレなかった。登場人物が全員アホ過ぎて感情移入できないからだ。 その① ギャングがアホ 早打ちのガンマン、ベン・ウェイド(ラッセル・クロ…

書評:【ライムスター宇多丸の映画カウンセリング】を読んでみた!

ライムスター宇多丸の映画本が出ていたので読んでみた。 映画評論家として完全に権威となった宇多丸師匠。僕は師匠の音楽を聴いたことが無いが、彼の映画評論は大好きだ。特に駄作をけなす上手さは天下一品。最初は観るつもりのなかった映画でも、彼の酷評を…

映画評:【マスカレード・ホテル】キムタク、良かったよ。

69点 東野圭吾の小説を原作としたミステリー映画。 都内で3件の殺人事件が発生。現場にはいずれも不可解な数字の羅列が残されていたことから、連続殺人事件として捜査が開始される。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)は、その数字が次の犯行…

映画評:【メリー・ポピンズ リターンズ】コリン・ファーズがかわいそう。

公開中の「メリー・ポピンズ リターンズ」を早速鑑賞してきた。 そもそも僕は前作の「メリー・ポピンズ」を一度も観たことが無い。完全に手ぶらで来てしまった訳だ。 前作「メリー・ポピンズ」で主人公だった男の子が父親になっているのだが、銀行へのローン…

映画評:【若おかみは小学生!】子供からお年寄りまで楽しめる。

今年の1月2日。春日太一の「泥沼スクリーン」を読んだ僕は、すぐに劇場で映画が観たくなり、巷で評判のアニメ映画「若おかみは小学生!」を観に行った。 足を運んだ劇場は横浜の黄金町にあるシネマジャック&ベティ。名画座に通い詰めたという本の内容に影響…

書評:春日太一の【泥沼スクリーン】を読んでみた!

お正月に読む本を探していたら、時代劇研究家・春日太一の新刊が出ていたので読んでみた。結論から言うとすごく面白かった。コタツでぬくぬくしながら読む時間は、最高のひとときだった。 この表紙のイラスト凄く好き。タケウマというイラストレーターが描い…

映画評:【闇の歯車】テレビドラマみたい。

横浜駅近くにあるムービルという映画館が「109シネマズ会員1,100円キャンペーン」をやっている。どの時間帯でも性別年齢問わず会員カードを持っていれば1,100円で映画が観れてしまう。そのキャンペーンがいつまで経っても終わらない。終了間際になったら期間…

映画評:意外と真面目だった【女ガンマン 皆殺しのメロディ】

PS4のゲーム「レットデットリデンプション2」にハマっていて、それの影響で西部劇映画が観たくなり、最近になって色々と観ています。 ゲームをやっていて「うわぁ、映画みたいだぁ」と感心することはあっても、映画を観ていて「うわぁ、ゲームみたいだぁ…

映画評:二浪とはいえ京大生で彼女が栗山千明とか羨ましすぎんぞ【鴨川ホルモー】

こんにちは。 杵蔵(きねぞう)です。 今回の作品はこちら。 鴨川ホルモー 製作:2009年/日本 監督:本木克英 出演:山田考之 :栗山千明 :濱田岳 :石田卓也 :芦名星 rating:80点 ストーリー 二浪の末やっと京都大学に入学する事ができた安部明。ある…

特集:憂鬱な夜に観たい映画5作品紹介

こんばんは。 杵蔵(きねぞう)と申します。 気分が落ち込んでいるときって、何をするにしても億劫ですよね。 けれど、ひとりぼっちの夜に、映画が助けてくれるときがあります。 そんな訳で、今回「憂鬱な夜に」観たい映画を5作品セレクトしてみました。 よ…